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2022.11.1

クラクラ世界一

世界で数百万人が熱狂しているとされるスマートフォンゲーム「クラッシュ・オブ・クラン(クラクラ)」のeスポーツ世界大会で、熊本市西区のプロゲーマー緒方友哉さん(22)を主力プレーヤーとする日本人チーム「クイーンウォーカーズステファニー(QW)」が優勝し、賞金30万ドルを獲得した。敗者復活からの逆転劇。緒方さんは「準備してきたことに自信があった」と激戦を振り返る。

クラクラは、村を守るために戦略を練り合うゲーム。プレーヤーは自分の村を防衛しながら、相手の村への攻撃を繰り広げる。QWは、リーダーのプレーヤー名「yuta14(ユタ)」さん率いる22~28歳の5人。ゲーム上で知り合い結成した。クラクラファンの間では、緒方さんのプレーヤー名「Klaus(クラウス)」は世界的に知られている。

本大会は9月23~25日にフィンランドのヘルシンキであり、オンラインの予選を勝ち抜いた8チームが集った。1、2回戦を突破したQWは、複数の国籍のプレーヤーでつくるチーム「トライブゲーミング(TRB)」に敗退したが敗者復活戦に勝利。決勝で再びTRBとぶつかった。

優勝には2連勝する必要があったが「負ける気がしなかった。メンバーと全力で楽しもうと声を掛け合った」と強い気持ちで臨み、頂点に登り詰めた。「勝ったときは大声で叫んだ記憶はあるが、うれしすぎて頭が真っ白になってあまり覚えていない」。緒方さんの攻撃は、予選から本選までパーフェクト。個人でも大会トップの成績だった。

世界大会は第1回の2019年ドイツ大会、新型コロナウイルスの影響でオンラインであった20年、21年大会と連続で本選に出場しているが優勝はなかった。

「今度こそ」と臨んだ今大会は、攻撃の実践練習や防衛配置の制作・研究に多大な時間を費やした。5人以外にも防衛配置や敵チーム分析の専門メンバーと寝る間も惜しんでゲームと向き合った。「専門メンバーはオンラインでつながった外国人。彼らに合わせて昼夜逆転の不規則な生活の中での練習だったが、妥協せずに積み重ねた結果が出てよかった」

世界大会が終わるとひとまずオフシーズン。「QWのメンバーと世界2連覇を目指す」。他のゲームも楽しみながら、次の目標を見据えている。(野村拓生)

○用語=クラッシュ・オブ・クラン フィンランドのモバイルゲーム開発会社「スーパーセル」が運営する戦略ゲーム。通称クラクラ。プレーヤーは自分や相手の村を巡って攻防を繰り広げる。最大50人対50人のチーム戦ができる。世界大会のチームは5人編成。攻撃はキャラクターや呪文を作って相手の村とその本拠地「タウンホール」の破壊を目指す。防衛は村を守るため効果的に壁や大砲などを配置する。村やタウンホールを破壊すると獲得できる星の数を競う。(熊本日日新聞転載)