eスポーツによる地方創生をテーマにしたシンポジウム「eスポーツで描く地方の未来」が10月11日、熊本市中央区の熊本城ホールシビックホールであった。全国の有識者や実践者が事例を報告し、課題などについて意見を交わした。12日まで。
熊日が創立80周年記念事業の一環で主催、熊本eスポーツ協会が共催した。
「観光」がテーマのパネルディスカッションには5人が登壇した。山口県の柳井グランドホテルは新型コロナウイルス禍を機に高速通信回線を整備し、個室の多さを生かした体験会や合宿誘致を実施。山鹿市の八千代座や兵庫県の有馬温泉などでのイベント、旅行会社による旅とゲームを組み合わせた企画などがそれぞれ紹介され、その意義や可能性を探った。
中島賢一・福岡eスポーツ協会長は「特定の人が来るだけのイベントに終わらせず、観光施策にどう反映させるかという観点で、eスポーツの活用法を探る必要がある」と締めくくった。
「福祉」のテーマでは、性別や年齢、障害にとらわれない特長を生かし、高齢者施策などに活用する取り組みなどについて語った。
元総務相の片山善博・大正大教授による基調講演もあり、「地方創生は、人口減少を前提として1人当たりの生産性を高めることが重要。eスポーツも含むデジタル化は有力な手法だ」と述べた。
12日は堺谷陽平・富山県eスポーツ連合会長の講演のほか、「まちづくり」と「教育」をテーマにパネルディスカッションがあった。